2014年 第3回サラトガ箱根庭園修復支援ー報告書ー

石庭は敷地の北西に位置する「下の茶屋」の東庭である。建物に入る園路動線は、当初、庭園東側中央に設けられた庭門から建物入口へと続いていたが、アメリカ障害者法(ADA; Americans with Disabilities Act)から車椅子でも施設内に入れるような園路動線の変更の必要性が生じ、動線を再整備し、石庭部分を大きく修復する計画が持ち上がった。

加えて管理者側から課題として挙げられた ①雨落ち部分の拡張、②1922年建設当初からある沓脱石と調和のとれた園路の再構築、③庭を分断する園路があったために不完全になっていた築地塀の囲繞確保なども修復計画に追加された。修復の計画立案と施工監督は東京・赤坂の造園家・星野司郎が務め、小形会のメンバーを中心として日本から11名、北米・カナダから2名、計13名の技術者とこれより先、現地で庭園技術支援者として赴任していた高橋伸弘及び庭園管理責任者・ジェイコブ・ケルナーらと共に石庭の整備が実施された。

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2014サラトガ箱根庭園修復支援報告書