2008年 ワシントンDC日本大使館一白亭の庭園改修

一白亭・茶庭は、近年、茶室の移設にともなって移設再整備が行われましたが、その際、正確に再現されなかったことに加えて経年変化によって、もともとこの庭園が所持していたすばらしい空間構成美や雰囲気などの魅力が失われつつあることは大きな損失と危惧されていました。
そこで、すでに100年にも及ぶ歴史をもつ海外に造られた日本庭園の中で、貴重な文化財産の1つとして、この一白亭・茶庭を位置付け、改修するに至ったわけです。

そのときの改修方針としては①歴史的・文化的・建築的価値を伝える部分を現状保存する一方で、修理・改変・付加によって茶庭の現代的利用を可能にすること、②庭園を美しい空間として再生し、日米の交流、日本文化の発信基地として甦らせること、といたしました。
ワシントンDC日本大使館一白亭の庭園改修の事業決定につきましては、田中徹氏(アメリカ在住)を通じて日本大使館より正式な依頼とその趣旨説明があり、これを受けて理事会では、①海外日本庭園の修復・改修に貢献する、②参加技術者の国外日本庭園における知見の蓄積ができる、③小形研三作品であるなどの点から、小形会の目的に添うとのことで、この依頼を受諾することにいたしました。